Googleアナリティクスのセグメントを使いこなそう!(後編)〜仮説をセグメント機能に落とし込んで分析しよう

こんにちは、小川卓です。

前回の記事では、仮説を洗い出す方法を紹介いたしました。

▼前回の記事:
​Googleアナリティクスのセグメントを使いこなそう!(前編)〜まずは仮説をどんどん生み出そう

 

今回の記事では、この仮説を検証するために、Googleアナリティクスのセグメント機能を活用する方法を紹介します。様々なセグメントの作成方法を学ぶことで、皆さんのサイトでもGoogleアナリティクスを気づき発見のために使えるようにしましょう。

 

セグメント機能を活用できるようになると、Googleアナリティクスが数値を見るためのツールから気づきを発見するためのツールに変わります。そしてこのセグメントを活用するためには、Googleアナリティクスがデフォルトで提供するセグメントをなんとなく反映しても意味がありません。

 

1.Googleアナリティクスのセグメント機能とは?

セグメントを活用する前に、まずはセグメント機能について簡単におさらいをしておきましょう。セグメント機能はサイトのデータをある条件で絞り込むための機能です。例えば、以下のような数値があるとしましょう。

 

訪問数 10,000回
コンバージョン率 2.2%
売上 80万円

 

これだけではただの事実の羅列であり、改善のヒントなどを発見することが出来ません。しかし、このデータをセグメントしてみると、以下のような事がわかります。

 

  PC スマホ
訪問数 4,000回 6,000回
コンバージョン率 3% 1.7%
売上 44万円 36万円

 

デバイスごとにセグメントをしたところ、新たな気づきが発見できました。スマートフォンはPCと比較して訪問数が多いけど、コンバージョン率が低いため、売上がPCより少ないことがわかります。サイト改善を狙うのであれば、スマートフォンのコンバージョン率アップを狙いたいところです。

 

新規とリピートで分けてみたら以下のような数値が出ました。ここからどのような気付きや仮説が考えられるでしょうか?

 

  新規 リピート
訪問数 7,000回 3,000回
コンバージョン率 2.4% 1.7%
売上 61万円 39万円

 

このようにデータを分割し、他のセグメントやサイト全体の数値と比較をすることで気付きを発見することができます。

 

Googleアナリティクスではデフォルトで22種類のセグメントが用意されています。大きく4つのタイプに分類することが可能です。

 

【全体・デバイス】

  • すべてのユーザー
  • タブレット トラフィック
  • タブレットと PC のトラフィック
  • モバイル トラフィック
  • モバイルとタブレットのトラフィック

【流入元】

  • ノーリファラー
  • 検索トラフィック
  • 参照トラフィック
  • 自然検索トラフィック
  • 有料のトラフィック

【訪問の種類】

  • 新規ユーザー
  • リピーター
  • シングル セッション ユーザー
  • マルチ セッション ユーザー
  • 直帰セッション
  • 直帰以外のセッション
  • サイト内検索を実行したユーザー

【コンバージョンと購入】

  • コンバージョンが達成されたセッション
  • コンバージョンに至ったユーザー
  • コンバージョンに至らなかったユーザー
  • トランザクションの発生したセッション
  • 購入したユーザー

 

以下は、あるサイトの新規とリピーターでセグメントした結果の売上に関する情報です。

 

 


■新規とリピーターの購買行動の違い

 

まずはサイト全体をこれら主要のセグメントからピックアップしていくつか分析してみると良いでしょう。

 

2.セグメントの本領は「カスタムセグメント」で発揮される

デフォルトで用意されているセグメントは便利なのですが、サイト固有の分析や前回見たような仮説を検証するために使うことは出来ません。そこでGoogleアナリティクスでは取得しているデータを自由に組み合わせてセグメントを作成する機能が用意されています。

 

このカスタムセグメント機能を使えば、様々なセグメントを作成する事ができます。

 


■カスタムセグメントの作成画面

 

左側に設定できる項目の一覧があり、そこから更に具体的な設定を行なう箇所が中央部にあり、セグメントを設定した時にサイト全体のユーザーの何%が該当するかが右側に表示されます。

 

ユーザー属性・テクノロジー・最初のセッションの日付・トラフィック・eコマースでは名前の通りの項目を設定する事ができます。しかし、今回注目したいのは条件とシーケンスの2種類のセグメント設定です。

 

条件では複数の条件を組み合わせることが出来ます。例えば以下の設定を見てみましょう。

 


■「条件」を活用したセグメント設定例

 

こちらでは「Wishlist(お気に入り)ページ」あるいは「カートのページ」を閲覧している かつ デスクトップからアクセスしている訪問 を表しています。

 

シーケンスの設定画面は条件と似ていますが、順番を加味することができます。以下の画面を見てみましょう。

 


■「シーケンス」を活用したセグメント設定例

 

こちらでは「Wishlist(お気に入り)ページ」を閲覧した後に「カートのページ」を閲覧している かつ デスクトップからアクセスしている訪問 を表しています。「条件」のときと結果の件数が変わっているのが見てとれます。

 

この条件とシーケンスを使う事で、数多くの仮説が検証出来ます。前回、設定した仮説をいくつか条件とシーケンスを使って検証してみましょう。

 

前回の仮説から、以下の2つをピックアップしてみました。

 

仮説1:「キャッシュバック賃貸とは?」という初訪問者向けのコンテンツは新規の人が見ているのか?

仮説2:駅路線から探す と エリアから探す のどちらが利用されていて、お問合せ率が高いのか?

 

セグメントを使って検証してみましょう。

 

仮説1:「キャッシュバック賃貸とは?」という初訪問者向けのコンテンツは新規の人が見ているのか? 


■作成したセグメント

 

作成したセグメントは「/about/を閲覧した訪問」という条件にしています。作成後に、新規・リピートのレポートを見てみましょう。サイト全体の数値も追加しています。

 


■新規・リピートのレポート

 

サイト全体での新規セッション率は74.08%となっていますが、/about/のセグメントの新規セッション率は67.78%とサイト全体と比較して低くなっています。つまり、/about/は「より新規の訪問で見られている」わけではなく、「よりリピーターの訪問で見られている」ことがわかります。

 

仮説2:駅路線から探す と エリアから探す のどちらが利用されていて、お問合せ率が高いのか?

 

作成するセグメントは合計4つになります。

 

  1. 「駅路線から探す」ページを閲覧した訪問
  2. 「エリアから探す」ページを閲覧した訪問
  3. 「駅路線から探す」ページを閲覧した後にお問合せ完了した訪問
  4. 「エリアから探す」ページを閲覧した後にお問合せ完了した訪問

 

この4つのセグメントを作成し、それぞれの訪問数を算出。
1)÷ 3) = 駅路線から探すのコンバージョン率
2)÷ 4) = エリアから探すのコンバージョン率

となります。

 

以下は、3)の場合のセグメント作成例です。

 

 


■作成したセグメント

 

シーケンスを活用し、最初のステップに「駅路線から探す」ページに必ず含まれるURL文字列を設定しています。そしてステップ2では、「コンバージョンした」という条件の設定を行っています(訪問内にコンバージョンを実現)。

 

この2つのステップを満たしたものが、3)「駅路線から探す」ページを閲覧した後にお問合せ完了した訪問 に該当します。

 

実サイトのデータなので、ここで具体的な数値はお出ししませんが、駅路線からのほうがコンバージョン率は高いという結果になりました。

 

しかし、更に深堀って都道府県ごとに見ると、都道府県によっては結果が逆転する事がありました。例えば線路が(比較的少ない)北海道や沖縄では、「エリアから探す」のほうがコンバージョン率は高いという結果を得られました。

 

まとめ

今回はセグメントの活用方法を紹介しました。ぜひ、皆様のサイトでも前回の記事とあわせて、仮説を考え、その仮説をセグメントで検証するという事を行ってみてください。Google アナリティクスをなんとなく使っていただけでは発見出来ない気付きを、沢山発見できるでしょう。

▼前回の記事:
​Googleアナリティクスのセグメントを使いこなそう!(前編)〜まずは仮説をどんどん生み出そう

小川 卓

小川 卓

ウェブアナリストとして、マイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンジャパンで勤務後、フリーに。複数社のChief Analytics Officerとして活動する傍ら、個人でもコンサルティング・勉強会・執筆などの活動を行っている。 主な著書に「ウェブ分析論:増補改訂版」「ウェブ分析レポーティング講座」「漫画でわかるウェブ分析」「Webサイト分析・改善の教科書」など。

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